インタビュー Vol.72

甘く、切なく、深い愛を歌う究極のLOVE SONGは永遠の前の一瞬のトキメキ!

川島ケイジ

 

3年前にメジャーデビューした時から今を振り返るとどんな気持ちでしょうか。

当初は焦りのようなものもありましたが、最近は開き直りと言いますか、色々と経験した今しか出せない歌声や説得力を表現していけたらと思っています。


 

セカンドアルバム『KEIJIHOLIC』の山野楽器、アルバム週間チャート第7位にランクイン!おめでとうございます。今回のセットリストはどのようなコンセプトでセレクトされたのですか。

ファンの皆さんの応援があってのことで、本当に感謝しています。プロデューサーの谷口尚久さんと相談して決めたのですが、今までは優しい感じの楽曲が多かったので、今回は振り幅を振り切って、大人の色気を前面に打ち出していくという形で選曲をしました。井上陽水さんの「リバーサイドホテル」を選んだのもその意図からです。新曲の「Clapotis」はフランス語で、波の音という意味で、男女の心の波を表現した曲ですが、今までにない力強い言葉を使ったりしています。
 

「clapotis」は作詞で、「紅の光」、「baby」の2曲は川島さん作詞・作曲ですが、それぞれの歌から発信する、伝えたい思いは何でしょうか。まず、最初の「紅い光」にはどんな思いありますか。

「紅い光」は20代の時に活動していた「7th」のバンド時代に作った楽曲なので、当時のバンドメンバーの思いも一緒に連れてこれた気がして、僕としては感慨深いものがありますね。


 

 20代の時に作った曲を今の年齢になり、その間、様々な人生の機微に触れ、経験を積まれた上で、この曲を選ばれたということは、伝えたい強いメッセージが込められているのですね。

はい。そうですね。
 

「Clapotis」は?

これはプロデューサーさんとの裏ストーリーがありまして、男女の逃避行をイメージして作りました。
 

「Baby」は?

この曲は昨年に作ったバラードです。ファンの人たちも大事にしてくれている楽曲ですね。当初この曲は入る予定ではなかったのですが、どうしても僕が最後にこの歌を歌いたかったので入れました。
 

「リバーサイドホテル」の ミュージックビデオの最後のシーンのメイクが印象的でしたが、ファンの皆さまの反響はいかがでしたか。

ビックリしていましたね。あの映像は日常と狂気を表現しているのですが、あんなにガッツリとメイクしたのはハロウィンでドラキュラの仮装をした時以来です(笑)
 

映像がとても自然体で美しかったのですが、あの演出はどなたがされたのですか。

海外で長編映画などを撮られてきた気鋭の松井雅也監督に撮って頂き、資生堂などのテレビコマーシャルを多数制作してきた老舗の制作会社さんが制作してくださいました。
 

 

「SOME DAY」は今回も大先輩、Chageさんの曲をfeaturingしてChageさんとご一緒に歌っていらっしゃいますね。Chageさんは前回のファーストアルバムKEIJIにも「夏の終わりのハーモニー」で参加されていますし、今後、川島さんのアルバムにはレギュラーのように参加していただきたいですね!

昨年のサントリーホールブルーローズでChageさんにゲスト出演いただいた時にデュエットしていただいたのですが、とても美しく大好きな楽曲だったので、Chageさんと一緒に焼肉食べた時に、この曲をぜひ歌わせて頂いてもいいですか?と聞いたら、何とコーラスにも入ってくださって、とても感謝しています。


 

川島さんは歳を重ねるごとに魅了が増す、大人のラブソングをずっと歌い続けていける唯一無二のアーティストだと思います。

ありがとうございます。以前TV番組で出演した、「カラオケバトル」以降、聴いてくださるファンの方は女性の方が増えましたし、やはり求められている楽曲も大人のラブソングが多いですね。
 

今、プロモーションで大忙しだと思いますが、ファンの間近で歌う時の川島さんの感情移入はどんな感じでしょうか。

前回のプロモーション時よりも、良い感触を得られているという実感はありますね。勿論、今もデビューアルバムの曲もセレクトして歌っていますが。3年間で色々な経験を積んでパフォーマンスも成長したと思います。
 

最近テレビにもよくご出演されていますが、ライブステージに上がる緊張感との違いはどんな感じですか。

緊張はしますが、テレビに出演したあとの反響も大きいので、なるべく出演した時は限られた時間なので、自分もテレビに映るように、目立つように心がけています(笑)


 

10月16日開催の『ピアノ&ヴォイセス』、今回のコンサートはジャズピアニストとしても大活躍の秋田慎治さんとの共演ですが、秋田さんとの出会いは?VOJA-tension(ヴォジャ・テンション)さんのコーラスも入り、共演がますます楽しみです。

和歌山でライブの仕事があった時に、僕を応援してくれている人がいて、その方が秋田慎治さんを10年くらい応援されていて、それがご縁で、和歌山で一緒にコラボができたらいいね、って言っていたのですが、中々実現しなくて、昨年、富岡製糸場で世界遺産登録記念コンサートがあって、その時に初めて共演しました。そのご縁もあり、今回秋田さんのピアノで自分のボーカルがどんな風に化学反応を起こすのかなというのが楽しみですね。VOJA-tensionさんは湯川れい子先生の年末のクリスマスパーティでご一緒したご縁で今回ご出演いただくことになりました。
 

基本はROCKから生まれた川島さんだと思いますが、進化しながら色んなジャンルにもチャレンジしつつご自身の音楽的ビジョンを固めていらっしゃるのだと思いますが。

僕の中では今までとはまた違った意味での好奇心が出てきていますね。
 

私は忘れもしない、2016年10月23日に和歌山まで聞きに行きました。あの時の感動は今も心に残っています!!

地元の人たちが一致団結して応援してもらって、1000人近くの人が集まり本当に感動的な忘れられない一日となりました。もっともっと期待に応えられる様に頑張らないとと思っています。


 

川島さんにとっての印象深い、最高のステージを一つ挙げるとしたら、どの公演でしょうか。

やはり『Chage Fes』ですね。僕の前がスガシカオさんで、僕は舞台袖で見ていて、僕の人生の中でいちばん緊張しましたね。Chageさんに「おまえの声だったら、みんなビックリするから自信を持って行ってこい!」と言っていただいて、自分もここで何も残せないような歌い手だったら、この先やっていっても意味がないな、と思い、覚悟を決めて歌ったら、凄い反響で、歌い終わって舞台袖にハケたら、Chageさんが「今日のおまえ凄かったよ!!」と褒めてくださり、「おまえの行く末を見届けたくなった」と言っていただいた言葉が、今でも自分自身の軸になっているので、あの公演が自分にとって最高のステージだと思います。
 

「みなべ町ふるさと大使」で、故郷を大事にこよなく愛する川島さんですが、和歌山県の魅力をぜひ教えてください。

僕が生まれ育ったみなべ町は、今は合併して町になりましたが当時は南部川村という村で信号機もないし、コンビニもない、夜になると真っ暗で月の光を頼りに歩くという環境でした。その時は夢を追いかけ早く都会に飛び出したい一心でした。でも一度離れてみて振り返ると山もあるし川もあるし、海もあり自然に溢れていて、夜になれば月も美しく、星もキラキラと輝いている。都会にいて見えないものが溢れている事に気付きました。自分は本当に素晴らしい町で生まれ育ったんだなって改めて感じましたね。
そんな時に南紀梅干さんの社長さんから梅の歌を作って欲しいという依頼があって、生まれ育った時の自分の視点と、今離れて遠くから見る自分の生まれ育った街の素晴らしさを伝えたくて「僕らが生まれた梅の町」という曲を作りました。
 

梅の産地なのですね。

南部高校(みなべ こうこう)の農業課の生徒たちが一生懸命に開発して作った梅が南高梅(なんこうばい)というのです。僕はその高校の卒業生です。


 

音楽を止めようと迷った時期があった、でも前に足を動かして行って路上ライブから這い上がって凄い信念を持って頑張ってきた結果が出てきましたね。

27歳の時に大阪で活動をしていたバンドを解散して、もう音楽を止めようと迷っていましたが、とにかく頭で考えるとマイナスなことしか考えないので、取り敢えず足を前に動かして東京に行ってから考えようと思いました。後悔だけはしたくなかったですね。色んな景色を見て色んな経験をした上でのデビューなので、20代で焦らず、今このタイミングでのデビューで良かったなと思います。
 

日々、進化している川島さんですが、川島さんの作る歌は凄く素朴で、じわじわと心の襞に寄り添ってくれるいい曲ばかりで、ぜひ昔の歌をフル・バージョンでリリースして欲しいです。「結(ゆい)」、「snow dance」、「ただ愛してる」、「記憶」、「今人」、「夜の向う側」、「beautiful」、J-popを普段あまり聞かない私は、「ショコラ」と「Woman“Wの悲劇”より」は川島さんの曲だと勘違いするほど衝撃的でした!!!!川島さんのファルセットが美しすぎて涙が出ちゃいますね。

「Woman“Wの悲劇”より」を歌った時のライブ会場に石坂敬一さん(元ユニバーサルミュージック会長)が聴きに来てくださっていて、僕が歌い終わった時に僕のところに来て「君の歌良かったよ、君を必ず世に出すから」と言ってもらったのがデビューのきっかけですね。
 
(編集部補足)2017年のBAJのライブで川島さんは次のように語っています。
『今まで僕は覚悟し切れていなかった自分がいたけれど、これからはとことん突き抜けていきますので、皆さんついてきてください。石坂会長がいなければ、今の自分はここにはいません。石坂会長のお陰でメジャーデビューできたのでご恩返ししていきます。』



 

以前、川島さんは僕はネガティブ人間なんですよ〜とおっしゃられていましたが。

ネガティブ出身のポジティブ人間です。緊張はしますが、最近はその緊張も楽しめるようになりました。自分のパフォーマンスを縮めてしまうような緊張はしなくなりましたね。
 

3年ぶりのリリースですが、ご自身の中で大きく変わったこと、もしくは成長したなぁ〜とご自身で思うことはどんなことでしょうか。

自信はつきました。歌い方も声が更に太くなってきてこの3年間では変わってきました。
 

スタイリッシュな川島さんですが、最近のインスタで度々登場する、超有名デザイナーさんのスーツや浴衣の着心地はいかがですか(笑)

浴衣とシャツはいただきました(笑)


 

10月16日の『ピアノ&ヴォイセス』に向けての意気込みをお願いします。

ピアノとヴォーカルだけで、シンプルな形でお届けしたいと思います。新しいカバーとアカペラにも挑戦してみたいと思いますので楽しみにしていてください。




【お知らせ】
川島ケイジさんより、特別にサイン色紙をいただきました!10月16日のコンサートにご来場いただいた皆様の中から抽選で3名様に、このサイン色紙に当日のステージ写真を添えてプレゼントいたします!

 

非凡な才能と強烈なオーラを身にまとう川島ケイジさん。当協会主催としては1年8か月ぶりの川島さんのコンサートになりますが、最近のご活躍ぶりは目覚ましく、持って生まれたビジュアルと共にオーラという魅力的な付加価値がつき、スターの輝きを感じずにはいられません。カバー曲でも切ないラブソングを歌えば変幻自在に“川島ケイジ”というジャンルで彩られる世界観。聴くたびに、見るたびにドキッとさせられるのがたまらない!というファンは多いはず。
これから開催する2公演、それぞれ違った魅力を発見できる川島ケイジさんの歌声に酔いしれていただければ光栄です!!

10月16日(水)PIANO&VOICES
12月23日(月)LOVE SONG COVERS with Strings

 

インタビュアー:佐藤美枝子
カメラマン:Ami Hirabayashi
許可なく転載・引用することを堅くお断りします。

川島ケイジ

和歌山県出身のシンガーソングライター。関西を拠点にロックバンドのボーカルとして活動したのち、単身東京に進出。敬愛する大先輩Chage氏との運命的な出会いにより、同氏のイベントや全国ツアーにゲスト参加するなどの引き立てを受けて活躍の場を拡げる。その後、日本にロックを根付かせた元祖洋楽ディレクターで、BOØWYや長渕剛をはじめ、数多くの日本人アーティストを世に送り出した元ユニバーサルミュージック CEO/日本レコード協会会長の故・石坂敬ー氏の目にとまり、2016年8月にミニアルバム「KEIJI」で遅咲きのメジャーデビューを果たす。同アルバムでは存在感のあるオリジナル2曲に加え、「Woman~"Wの悲劇”より」「夏の終りのハーモニー」「バン・バン・バン」のカバーを収録。「夏の終りのハーモニー」ではChage氏とのデュエットで話題を集めた。近年では「THEカラオケ☆バトル」(テレビ東京)、「MUSIC FAIR」(フジテレビ)などのメディアにて紹介される一方、富岡製糸場、高野山金剛峰寺、熊野本宮大社などの世界遺産や、神戸北野異人館の歴史的建造物で行われる重厚感溢れるライブパフォーマンスが注目を集めている。最近は中国からのオファーも増え、今後はアジア全域を視野に入れた幅広い活躍が期待されると同時に、メロディアスで優しい旋律のオリジナルもさることながら、古き良き日本の楽曲をしっかり歌い継げるシンガーとしても益々の期待を寄せられている。