インタビュー Vol.69
お笑いを知性に包み込んだ友近の最高作品〜水谷千重子がジャズに挑戦!!
水谷千重子
今日は友近さんの”お友達”の水谷千重子さんにインタビューさせていただくのですがどうぞ宜しくお願いいたします。水谷千重子さん芸能生活50周年おめでとうございます。
はい。ありがとうございます(笑)
2、3年前も50周年でしたが、年月が経った今も50周年とお呼びしても大丈夫でしょうか(笑)
最初は40周年と言っていたのですが、いつの間にか50周年になっちゃっていました(笑)
水谷千重子さんのデビューのきっかけは。
TVSのテレビ番組『歌まね生一本』でグランドチャンピオンとなったことです。師匠である二葉菖仁先生にスカウトされてデビューしました。
水谷さんプロデュースの『水谷千重子キーポンシャイニング歌謡祭』も2016年1月から始められて、毎年盛り上がっていますが、こちらのコンサートを始められた理由は。
演歌も好きですが、J-popを歌うことも大好きで、若い人にもっと演歌を聞いて欲しいと思い、またお年を召した方にもJ-popを聞いて欲しいなと思いまして、演歌とJ-popの架け橋になればいいなと、そして、演歌とJ-popがジョインして歌と笑いで楽しいコンサートになればいいな〜と思い始めました。今年は明治座公演がありましたので、キーポンはお休みです。キーポンも結構準備が大変なので、やるとすれば来年になりますね。
毎回ゲストの皆様とのデュエットがまた豪華でしたね。堀内孝雄さん、川中美幸さん、根本要さん、稲垣潤一さん、相川七瀬さん、PUFFYさん、中村雅俊さん、ナオト・インティライミさん、平原綾香さん、岸谷香さんなどなど・・・沢山!!
ゲストの皆さんは、千重子と普段から仲がいい、ゆかりのある人たちばかりです!楽しんでやってくださっているので、本当に有難いですね。
ゲストの皆さんは、千重子と普段から仲がいい、ゆかりのある人たちばかりです!楽しんでやってくださっているので、本当に有難いですね。
2月から始まった明治座初座長公演も連日満員御礼で凄かったですね。
いや〜自分でも本当にビックリしました。知らないうちに水谷千重子が大きくなっていったというか、お客さま全員が一緒にコントに乗っかっているという部分が面白いですよね。
明治座さんでできたら面白いよね〜と普段からスタッフとも話していたので、今年実現できて嬉しかったですね。またやりたいですね。お客さまとの一体感は舞台では、お客さまの反応ですぐにわかるので、どう乗せようかとか、深く難しく考えずにこちらが楽しくやれば伝わるんだなと思いましたね。
お稽古期間はどのくらいでしたか?
約一ヶ月ほどでしたね。出演者のスケジュール調整も大変でしたが、この方々と共演したいと思う人たちばかりで共演できたことが本当に嬉しかったです。
朝の公演が11時開演と早かったですが、朝はお強いほうですか。
そうですね。朝は大丈夫です!通常は1回か2回のコンサートで回っていたので、16回公演というのも生まれて初めての経験でしたし、喉の心配や体力も持つのかな〜と心配していましたが、結構丈夫でしたね(笑)疲れよりも楽しさの方が勝っていて、公演が終わった後も、疲れることなく、もっとやりたい!!やりたい!!という感じでした。
途中、1、2日ほど休演日がありましたが、その時にゆっくりできたのですか?
いえ、テレビの仕事をやっていましたからお休みはなかったです(笑)自分でもタフやな〜と思いました(笑)
一部が「とんち尼将軍 一休ねえさん」という演目のお芝居で、原田龍二さん、YOUさん、高橋ひとみさんらがご出演されて、第二部が歌謡ショーという構成でしたが、第二部の歌謡ショーの最後は恒例の豆富開きでおひらきになりましたね。
はい、福井の実家がお豆富やさんなのですが、福井では焼き豆富を落とさないように踊る『越後前舞踊』という伝統的な日本舞踊がありまして、コンサートの最後には、みんなに幸せが訪れますようにという、豆富開きで踊ることを恒例にしています。
普段は演歌が中心ですが、ディナーショーでは洋楽もお歌いになられるとか。結構英語の歌も唄われるそうですね。
はい、ポップスも大好きなので歌います。最初、英語の歌をはっきりとカタカナの発音でビブラートしながら唄うのが面白いといって笑ってもらえたりしたので、それから英語の歌を唄うようになりましたね。普段は、ビートルズやカーペンターズも歌いますし、中森明菜ちゃん、岩崎宏美ちゃんやキョンキョン(小泉今日子さん)の歌も唄いますよ。
今回、サマージャズには森口博子さんも出演してくれますが、お友達だそうですね。
森口博子ちゃんが私のライブに来てくださったり、キーポンでは岸谷香ちゃんに曲を書いていただいたりして、みんな仲良しで3人でご飯食べに行ったりしています。
水谷さんは悩みなんてなさそうですが、もし誰かに相談するとしたら、やはり友近さんですか?
そうですね〜(笑)なかなか会うことがないのよ。友近ちゃんも好きなことをやっていますからね〜(笑)
こんなことをお訊きして、なんですが、水谷千重子さんがこんなにブレイクすると思っていましたか。
そうですね。本物の演歌歌手の方やアーティストの方々が肉付けしてくださって、「千重子先生!!」「千重子先生!!」と乗っかってきてくださって、本当に大御所っぽくなっていったのと、初見で水谷千重子でコントを作った時に、お客さまのお顔が、50年間応援してきましたよ!!!という、表情で応援してくださり、全員で作りあげた!!っていう熱気が客席からも伝わってきて面白かったのと、もしかして、お客さまもみんなコントがしたいのかな〜と思いましたね(笑)
いま「ありがとうコンサート」というのを毎年、主要都市ではない地方の街で47都道府県、回っているのですが、こんなに田舎の街でも水谷千重子の名前でコンサートをやってもみんな来てくれるんだな〜とビックリしましたね。それで、感覚が少し変わりました。
70代〜80代の方々が、どこから現れたのか?というくらい、1,500人くらいの会場がいっぱいになるんです。皆さんエネルギー溜めて来てくれることに凄く感動しますし、地域活性化になっているんだなと思いました。千重子っていいことやってるんじゃないかな〜って感じましたね(笑)
東京でやる「キーポンシャイニング歌謡祭」では味わえない地域の人たちの温かさに触れることができて、有難いですね。
目まぐるしくお忙しい中で、水谷さんのパワーはどこから来るのでしょう!
自分が表現したいことがお客さまに伝わって、それで喜んで頂けることが嬉しいですし、どこの地方に行っても皆さんが待っていてくれるんだと思うとタフな気持ちでいられますね。
ストレスは溜まりませんか?
それは溜まりますよ。でも自分の好きな仕事をしながらストレスを発散するようにしています(笑)以前、さだまさしさんの番組に出演させていただいた時に、さだちゃんも「僕もそうだよ!!」って言ってたの。だから仕事はどんどんやらなきゃだめなんだよな〜って。でもお休みは欲しいので、お休みの時は旅行に出かけますね。旅行先でまた面白いと思うことを考えたりして〜(笑)頭は休んではいませんね〜(笑)仕事と休みのバランスが大事ですね。
水谷さんが芸に向き合う時に自分を奮い立たせるブレない軸はなんでしょうか。
しゃべることは自分で考えているので、お客さまが喜んで頂けるようにおしゃべりも歌も一生懸命にやることですね。
水谷千重子さんの芸名の由来は?
演歌歌手の方は、自然の名前で、山とか川とか森とか、谷とかが付く姓がわりと多いので、水谷で行こうか〜と。昭和ふうの名前がいいな〜って、ふみ子とかやす子とか、色々考えて、ちえ子がいいな〜と、でも『え』はクセのある感じがいいからと『重』にして『千重子』にしました。そしたら、水谷八重子さんがいらっしゃるじゃないとあとで気がついて……。でもすでに水谷千重子で始まっているので、、水谷八重子さんにはややこしい名前つけちゃって申し訳ないです。
水谷八重子さんとはお目にかかったことは?
大阪で演歌の番組をやっていて、ゲストで来ていただいて共演させていただきました。
その時は八重子さんの反応は?(笑)
お茶目なことを言って褒めてくださいました。
ギャグやコントでの魅せ方は?
毒があっても毒と感じさせないよう、その人のキャラを直接的に言うとキツくなるので、それをコントで柔らかくしながら魅せるという感じですね。
今日は外も33度で暑いので、千重子さんのグッズ売り場で「千重子水」を飲みたいと思っているのですが。
ボトルにも色々と書いてある「千重子水」は千重子がプロデュースして大変評判なのですが、実は「千重子のエンディンノート」が一番人気なんです!!(笑)父が3年前に亡くなった時にエンディングノートが凄く役に立ったのです。寂しい気持ちにもなりますが、
楽しくみんなで書けたらいいなと思ってあのノートもプロデュースしました!
そういうのを考えるのが楽しいですね!!
☆キラキラデザインがお似合いですね。
大好きで、自分のマイクや衣装の着物にもキラキラをデザインしています。着物には私の可愛い犬のヨークシャテリアでサフランちゃんもデザインしてもらっています(笑)
サービス精神旺盛な千重子さんですが、今後の目標は。
友近ちゃんに関しては、もっと!もっと!もっと!!と飛躍を考えますが、水谷千重子に関しては、キーポンシャイニングではないですが、ずっとこのままの感じで続いてくれると嬉しいなと思います。千重子のギャグはアメリカン・ジョークっぽいところがあったりとかで、海外の人が千重子のことに興味を持ってくれているので、海外のツアーが組めたら楽しいなと思いますね。でも何をするにも一人ではできないので、理解してくださる演出家、作家さん、プロデューサーさん、スタッフさんたちがいてくれないとできないですし、そういう出会いがないと今回の明治座さんのようなクオリティにはならなかったですね。
友近ちゃんに関しては、もっと!もっと!もっと!!と飛躍を考えますが、水谷千重子に関しては、キーポンシャイニングではないですが、ずっとこのままの感じで続いてくれると嬉しいなと思います。千重子のギャグはアメリカン・ジョークっぽいところがあったりとかで、海外の人が千重子のことに興味を持ってくれているので、海外のツアーが組めたら楽しいなと思いますね。でも何をするにも一人ではできないので、理解してくださる演出家、作家さん、プロデューサーさん、スタッフさんたちがいてくれないとできないですし、そういう出会いがないと今回の明治座さんのようなクオリティにはならなかったですね。
2019年4月14日 水谷千重子ありがとうコンサート in 和歌山
千重子さんとジャズとのつながりはございますか。
千重子を応援してくださっているお客さまはおふざけではなく、本当にエンタテイメントとしてやっているんだなと思って理解して下さっていますが、千重子をテレビでしかご覧にならない方は、演歌歌手を小馬鹿にして、チャラケてやっているんでしょう〜と思われている方がまだ多いと思うので、今回、ジャズフェスに声をかけていただいて、千重子をエンタティナーとして理解して呼んでくださったということでとても嬉しかったですね。
ジャズはお好きですか。
友近ちゃんがまだ20歳くらいで愛媛にいた頃に、倉庫を改装した海の見えるレストランバーで働いていた時期があって、そこはジャズミュージシャンを月に一回呼んで演奏するというのを売りにしていたのですが、そのレストランが経営不振でミュージシャンを呼べなくなってしまったんです。そのレストランの社長はジャズを続けたくて、悩んでいた時に、では従業員でバンドを組もうということになり、あまりジャズは歌ったことがないけれど、私がジャズを歌います、僕がドラム叩きます、みたいにみんなで従業員バンドを結成して練習してやっていた時期がありました。ジャズだけではなく、アメリカン・ポップスなども演奏していました。ジャズは好きなので、極力崩したくないので、多少、千重子の要素は入っても、ちゃんと歌いたいですね。
千重子さんファンに世代を超えて喜ばせることについて。
私自身が人に興味があり人が好きなので多分、人との距離感の嗅覚をつかむのが得意なんだと思います。
ジャズのビッグバンドと初共演ですが、心意気をお願いします。
水谷千重子は歌に真面目に取り組んでいますので、初めて水谷千重子を生でご覧になる方が、今回の『サマージャズ』の出演者リストに入っていて良かったな、って思ってもらえるように、そして、皆さんが幸せな空間を作れるように頑張りますので、ぜひお待ちしています!
【水谷千重子プロフィール】
幼少時に飛び入り出演した『歌まね生一本』でグランドチャンピオンとなり、番組の審査委員長でもあった二葉菖仁の目に留まり芸能界入りを果たす。少女時代の水谷千重子はその抜群の歌唱力から“北陸のひばり”と呼ばれ数々の大会を荒らす存在に。デビュー曲『万博ササニシキ』は大ヒットとなり、その後も『スコッチがお好きでしょ』『ミズチエルンバ』などで数々の音楽賞を受賞。NHK「紅白歌合戦」は毎年のオファーを辞退し不出場。近年では演歌とJ-POPの架け橋的存在として幅広い活動を繰り広げている。
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(編集後記)
友近の親友で芸能生活50周年のベテラン演歌歌手の水谷千重子とは、芸人友近がプロデュースするキャラクターであり、約7年前にデビューということになっている。当初はネタで演じていただけだったのに、そのユニークな個性が注目されてバラエティ番組や歌番組にも引っ張りだこになり、CDもリリースされ、毎年恒例になった「キーポンシャイニング歌謡祭」まで開催するという快挙を成し遂げている。まさに観客が水谷千重子を本物の演歌歌手として認めるようになるという、摩訶不思議な関係性を築きあげ、水谷千重子の著名度と人気が友近とは違うテイストで話題になり、友近が創り上げた最高傑作が水谷千重子なのではないでしょうか。
ジャズが大好きという水谷千重子さんは、今回ジャズフェス初出演で芸の引き出しがまたひとつ増えて、第二の摩訶不思議!ジャズ界からも注目される日が来るのではないだろうか。ならば、なお嬉し!!
インタビュアー:佐藤美枝子
許可なく転載・引用することを堅くお断りします。