特集

インタビュー Vol.31
自然体なのに輝きを放つスターのオーラ
彩吹真央 平方元基

今年も大活躍の日本を代表するミュージカルスター、彩吹真央さんと平方元基さんに舞台に立つときの心境や目標など教えてください。

●以前に平方さんと彩吹さんは共演されていますよね?

平方:2013年の「シラノ」で共演させて頂きました。

彩吹:丸3年前に稽古がスタートしたんですよ。たしか。

平方:もうそんな前なんだね。凄いスピード!当時いただいた、パリのお土産の写真立ては今でも家に飾っています。水色と白のエッフェル塔!

彩吹:え!うれしい!ありがとう。

●「シラノ」のときが初めてお会いしたのですか?

平方:チラシの撮影のときにお会いしたのが本当の初めてだったじゃないですか。たぶん。

彩吹:うん、そうですね!制作発表で元基君がすっごく緊張してた(笑)。まったく歌わないのに(笑)。

平方:誰よりも緊張してたと思います(笑)。

●彩吹さんの印象はどうでしたか?

平方:いっつも落ち着いてて、優しい方って印象です!まわりの方からも優しい方だって聞いていましたのでお会いして本当だ!って思いました!

彩吹:ほんとかな(笑)。

平方:稽古場で芝居をしているときはパリっとシャープな感じで、稽古場で台本開いているときはすっごく優しい感じ、「なんだこのギャップは!」と思いましたね。舞台上の彩吹さんがとても新鮮でした。

彩吹:自分でもそういうのよくわかんないや(笑)。でも、そのギャップがあるのはファンの方は良く知っているみたい。

平方:そういうスイッチは、何かのタイミングで入れ替えるんですか?

彩吹:役にもよるかな。。。この前までやっていたジュディ・ガーランドは、精神的に危ない役だったから楽屋でもピリっとしていたかもしれないな。

彩吹:逆に元基君は、ぼんぼんのイメージがあって。役もそういう感じだったのでとても合っているなって思ってた。でも「サンセット大通り」を観て、「お!オトコになったな!」って思いました。

平方:「サンセット大通り」は自分にとって大きな転機と思って取り組んだ作品です。ご一緒させて頂いた大先輩の安蘭さんが僕が何をしてもしっかり受け止めて下さったので、一心不乱にその役と向き合うことができました。だから、そう言っていただけると、とても嬉しいです。初演では彩吹さんもベティ役で出演されていましたが、あの役もとても難しいですよね?

彩吹:めっちゃ難しい。ほんと大変だった。

平方:重要な役なのに書かれているシーンが少ないんですよね。

彩吹:巻き込まれていく不安定さみたいなのを重んじてやったのだけど、初演で共演した鈴木壮麻(綜馬を改名)さんが「とにかくベティとしてまっすぐやっていたよねー」と言ってくださって嬉しかった。一生懸命でした。そして元基君のサンセットを客席からみたとき、とてもいい役なんだって、再確認できて楽しかったですね。ゆみさん(演出家の鈴木裕美さん)とみていた。ゆみさんと元基君は凄く合いそう。

平方:そうなんですね!鈴木裕美さんって厳しい方ですけど、僕は向き合っていて凄くやり甲斐を感じる演出家さんです。

彩吹:あとAB型同士だから(笑)。

平方:コンサートで歌うときって表現とかはどのように考えていますか?

彩吹:演劇のときはその役をイメージつけるけど、自分が歌うときは自分自身を表現するかな。その歌の作詞者は何を一番伝えたいのか、とか。素直に感じたことを素直に歌にのせる。演じようとは思わないですね。

平方:僕は歌詞を考えすぎてプレッシャーに押しつぶされる。

彩吹:大丈夫?(笑)

平方:今回出演させていただく「いまも輝く昭和のスタンダード・ソングス」の曲の中に岩谷時子さんの曲があって、「あ!ミュージカルとつながった!」と思って嬉しかったんです。ミュージカルがもっとポピュラーになってほしいし、ポピュラー音楽が好きな方もミュージカルを好きになってもらえるようになってほしいと思っています。おこがましいですが僕はその懸け橋になりたいとも思ってます。

彩吹:しっかりしてるね。

平方:いやいやいやいや!(笑)

●苦労が実りつつありますね。

平方:それは苦労とは違いますね。

彩吹:いやそんなことないでしょ。その葛藤があると思うよ。

平方:色々葛藤はありますが「え!そこは悩まないのかい!」って言われるような残念なパターンですよね(笑)。

彩吹:うふふ(笑)。

●柿澤勇人さんとの対談を読みましたけど、「きついときはいくらでもやってくるから、自分なりのエンジンのかけ方で底上げしていくんだ」って。素晴らしいですよね。

平方:キツイことや辛いことって幾つになってもやってくるじゃないですか。悲しいことが吹き矢のように飛んでくるときもあるから、普段は明るくいたほうが良いっていつも思っています。

彩吹:明るいもん。それが無理やり明るくしているようにみえないのが魅力的だなって思う。一人っ子?

平方:いや、妹がいます。子供のころは妹とブルトーザーの音を真似したり、楽しいことを見つけて遊んでました(笑)。母が、自分が楽しめることをみつけなさいってよく言ってました。

彩吹:さすが、元基って名前をつけられるだけあるわ(笑)。

平方:思いのほか元気になりすぎちゃって大変!ってよく言われますけど(笑)。彩吹さんって明るくて、強い方だと思う。歌とかを聴いて泣いたりしますか?

彩吹:歌を聴いて泣くことはないけど映画はあるかな。

平方:俺は家で真剣に音楽を聴いてますよ!スピーカーの前にはりついて(笑)。

彩吹:面白いねー。たのしいね(笑)。音楽を楽しむし、仕事も楽しみながら生きてるなって感じる。別に一緒にやって仕事を楽しんでいないと感じる人は決していないんだけど、でもその差って激しくて、その作品の中に情熱を注いでいるなっていう人を見ていると気持ちがいいし、共感するし、元基君はそういうタイプだなって思う。自分も集中して楽しんでる。そういう人達が集まって、それが濃ければ濃いほど舞台に表れるかなと思う。

●当協会が多く主催公演しているジャズの世界は、ライブの日にミュージシャンが集まって演奏して、また散らばっていく。ミュージカルのお稽古のように、何ヶ月も一緒にスタジオで練習するってことがないから、人との連帯感も薄いかもです。舞台はかなり前からつくり込みますから全く違う世界ですね。

彩吹:ジャズってだからこそにじみ出るモノがあってかっこいいですよね。

平方:予定調和じゃないところがいいんでしょうね。

●彩吹さんはコットンクラブでジャズライブをやって、アルバムを出されましたよね。

彩吹:私の中でのジャズをやらせてもらいました。そういうチャレンジすることがステップアップだと思っていましたし。今回歌わせてもらう曲も色々な経験を積んだ人の歌だなって思えましたね。私なりの経験を載せて歌ってみたいですね。またこういうのをやりたいですね。

●毎年続けてやれるようにしたいですね。

彩吹:そうですね。

●ミュージカルを演るステージは大きな会場が多いですが。

平方:彩吹さんはお客さん見えてます?

彩吹:(視力があるから)見えるけど、目に入らないですね。集中しているからかな。

平方:僕は見えない(笑)。

彩吹:「エンド・オブ・ザ・レインボー」の2幕で客電がついているときに入っていくシーンがあって、客席が明るいから顔が見えるはずなんだけど、集中してやっていたから、全く見えなかったことがあった。

●平方さん「サンセット大通り」は公演期間が長かったですよね。何か役に引きずられることってありますか?

平方:あんまりなかったですよね。何か心に決めて舞台に上がっていくことはなかったかな。だからこそ、というかよくメイクさんや衣装さんとかが僕をよく探していました。15分前とかになっても楽屋にいないの。あれは自由すぎてました(笑)。申し訳なかったです。。。

彩吹:とうこさん(安蘭けい)のことも元基君のこともよく知っているというのもあるけど、ふたりがつくる空気感がとても好きだった。この作品の面白いところがにじみでていた。

平方:はじめの立ち稽古のとき、こんな若者がいうのもアレなのですけど、これはいける!と思ったのですよ(笑)。常にオーラを出すとうこさんですけど、あんなにヒョウ柄が似合う人はいないですよ!あ、とうこさんと彩吹さん似てるかも。舞台を降りたときの「アレ!?」というギャップのところ(笑)。

彩吹:よく言われる(笑)。

●今回、平方さんは水さんとは初共演になるのですよね。

平方:はい!水さんって「エリザベート」のイメージが強いですね。なんかシャキーン!って感じ(笑)。。

彩吹:シャキーン!という感じですけど、とっても優しい方ですよ。

彩吹:元基君の次回作は?

平方:次は11月から帝国劇場で「ダンス・オブ・ヴァンパイア」をやらせていただきます!いま頑張って歌を憶えているところなのですけど。観た事ありますか?

彩吹:ないから、絶対観にいくよ(笑)。

平方:ありがとうございます(笑)。なんだかアトラクションみたいな舞台なんですよ。これを2012年に観たときに、これは僕はやることはないなと勝手に思っていたのですが、今回やらせていただくことになって。

彩吹:きましたねー(笑)。

平方:すごくトンチンカンでおバカな役で、みんな「合ってるねー」って言ってくれるので、その期待に応えるためにもがんばります(笑)。トンチンカンで、恋愛にもまっしぐら。

彩吹:実生活もそうなの?

平方:そんなことは、ぜーんぜんない!もう、(恋愛にまっしぐら)してたい!(笑)とてもハッピーになれる舞台だと思います。

●彩吹さんの次回公演は?

彩吹:来月、歌わせていただく「いまも輝く昭和のスタンダード・ソングス」ですね。なかなか歌う機会のない昭和のポップスで、歌わせていただく曲が有名な曲で、そういう青春時代を過ごした方には凄く想い出深い曲だと思うので、私の引き出しをフルに活用して歌いたいと思います。あとは倍賞さん、山下さんと歌わせていただくというのがとても貴重なので楽しみにしています。それから来年1月 28日〜2月1日シアタークリエ『The Sparkling Voice』に出演させていただきます。

平方:ぎりぎり昭和生まれとしてがんばります。コンサートの帰り道にお客様に「フフ~」と口ずさんでもらえるようなコンサートにしたい。

●そういえば、彩吹さんは2013年が20周年だったのですよね。

平方:うわ~!すっごい!

彩吹:気がつけば、20年も舞台に立ってます・・・でも私としては宝塚が16年で、女優としては5年ぐらいで。

平方:なんか、もう舞台上に住んでいる人みたいですよね!

彩吹:なんかね、もう舞台の上にいるほうが楽(笑)。楽というか、自分の生きる場所だなって安心する。ちょっとクサイけど。

平方:僕は家のソファーのほうがいいな(笑)。舞台はめっちゃ緊張するから。

彩吹:はやくスポットライトを浴びて気持ち良くなって。ほんと、舞台の上は一番幸せな場所だし、楽だよ。

平方:その「舞台の上にいるほうが楽」っていう台詞いつかどこかで使わせていただきます(笑)!

舞台に命を賭け、常に何か目に見えないけど大きな野望を持ち、私たちオーディエンスを驚かせてくださる彩吹さんと平方さん。私はお二人の誠実さがにじみでるお人柄に魅了されながら、また彩吹さん、平方さんの舞台を早くみたい、という思いにかられました。
彩吹さんと平方さんの心にしみいる名言をもう一度。

彩吹さんの名言:「もう舞台の上にいるほうが楽・・・自分の生きる場所だなって安心する・・・はやくスポットライトを浴びて気持ち良くなって。ほんと、舞台の上は一番幸せな場所・・・」

平方さんの名言:「キツイことや辛いことって幾つになってもやってくるじゃないですか。悲しいことが吹き矢のように飛んでくるときもあるから、普段は明るくいたほうが良いっていつも思っています。」

インタビュアー:佐藤美枝子
カメラマン :Koji Ota

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