インタビュー Vol.105
歌と真摯に向き合いステージで異彩を放つ唯一無二のアーティスト
日野真一郎

品格のオーラを見にまとう日野真一郎さん
美について常に心がけていらっしゃることはありますか
食事には気をつけています。なるべくジャンクフードは避けています、運動も適度に行なっていますが、特別なことはぜずナチュラルに過ごしています。

沢山のミュージカル作品にご出演されておりますが、ご自身の主演作品または、観劇された作品の中からお好きな演目を3つ挙げるとしたら
僕が最初に観たのは劇団四季の『オペラ座の怪人』なんです。それまでは、音大なので、オペラやオーケストラを観に行く機会が多かったのですが、大学に入ってからは週に3回くらい色々なミュージカル作品を観に行っていました。『オペラ座の怪人』はブロードウェイでも観劇しました。
2つ目は、自分の中で大変だったミュージカル『ダブル・トラブル』ですね。色々な役を演じて、その役を演じる中でも男女を問わず幅広く演じきり、最後はTAPダンスもありましたし、沢山のエンターテインメントが詰まっているので、凄く勉強させていただき、やり甲斐のある作品でした。
そして3つ目は、初演から携わっていて、僕の中でのターニングポイントでもある『SMOKE』です!
昨年は、韓国版の作家で演出家のチュ・ジョンファさん演出のミュージカル『SMOKE』が、2024年「ミュージカル・アワード・東京」で作品賞を受賞されたのですが、浅草九劇という空間で、観賞させていただく観客までも劇に取り込んでいる感じがして、見ている私たちも緊張しました。演じられた感想をひとことお願いします
あの空間でしか得られない体験もありますし、演者だけがその物語に入るのではなくて、九劇という劇場はお客様も一緒に “感情の旅をする” という体験型の作品かなと思います。皆さんが一度は絶対に経験したことのある感情やストーリーだけでなく、生と死、自分の存在意義など哲学的な要素もありますので引き込まれるのではないかと思います。
ファンの皆さまとしてはあの超至近距離で観劇させていただけることは贅沢ですね
演じる我々俳優の醍醐味でもありますし、ファンの皆さんにとっても近いということは、そうですね。

韓国といえば、韓国ドラマが日本でも大人気ですが、日野さんご自身は何かご覧になられたドラマはございますか
はい、かなり前になりますが最初見はじめたのが『お嬢さまをお願い!』(主演キャスト:ユン・ウネ、ユン・サンヒョン)を見たのが最初で、そのあとも色々見ています。コロナ禍では『愛の不時着』(主演キャスト:ヒョンビン、ソン・イェジン)も見ましたし、最近は大人気の『ソンジェ背負って走れ』(主演キャスト:ピョン・ウソク、キム・へユン)も見ました。良いドラマでしたね。今度、時間があった時にみたい作品で『ある日~真実のベール』(主演キャスト:キム・スヒョン、チャ・スンウォン)を見てみたいな~と思っています。韓国ドラマは好きですね、ただ長いので、見る時間を作ることもかなり大変ですが(笑)
声楽を学んでいらした日野さんですが、音楽がお好きになったきっかけはビジュアル系ロックバンドがお好きで、髪も染めたりして、LUNA SEAや、L’Arc~en~Cielなどのコピーバンドのヴォーカルだったそうですが、ソロコンサートでロックをお歌いになられたりされるのですか
ソロコンサートでは割とピアノ弾き語りが多いので、ロックは歌ったことはないです。
今回は園田さん率いる素晴らしいミュージシャンが参加されているので、初挑戦してみようかなと思っています。なかなかない機会ですし、そのほうがお客様も楽しんでいただけるのではないかと思って選んでみました。だから今回の僕の歌う曲は僕自身の初チャレンジなんです!

今までも数多くのデュエットをされてこられた日野さんですが、特に印象に残っているシーンなどはございますか
ドリームキャラバン東京公演の東京オペラシティで共演していただいた新妻聖子さんが僕に「日野くんなら絶対に合うと思った」と言って、リクエストしてくださったのですが、ミュージカル ムーラン・ルージュより「Come What May」 が印象深いですね。僕もあまり知らなかった曲で、初めて歌わせていただき、オーケストラがバックだったのも豪華で良かったですね。デュエットは本当にキャッチボールで、リハーサルで歌わせていただいた時とはまた違ったニュアンスでその場でしか生まれない感じがすごく楽しかったです。
May J.さんとの「美女と野獣」も楽しかったです。


最近はシャンソン公演のゲスト出演が多いように思いますが 日野さんイコール「愛の讃歌」になりつつあります シャンソンの魅力について教えてください
昨年は越路吹雪さん生誕100年であり「愛の讃歌」初録音から70年という節目の年でした。もともとフランス語で歌っていましたが、最近は日本語で歌わせていただくことも多いです。シャンソンの魅力は、深い感情表現と詩的な歌詞にあると思います。調べていくとどれが本物の歌詞か分からず、様々な日本語の歌詞で歌い手さんが歌われていることに気づきました。歌には物語があって、主人公になりきるか、語り部になるか、シャンソンは特にその個性が際立つと思います。以前は年齢を重ねないと歌えないと考えていましたが、若くてもその物語の主人公になりきれば、その瞬間だけ、体験した人となって語り告げるジャンルなのだと実感しました。
先日はシャンソン歌手の石井好子さんのコンサートのゲスト出演もされました
そうなんです、僕もよく存じ上げなかったのですが、日本にシャンソンを持ってこられた方ということや、シャンソンの魅力を日本に広め、80歳を超えてもなお、多くの方に夢や希望を届けてこられてきたことなどを美川憲一さんからもお聞きしました。僕もこれからシャンソンを歌い継ぎ、その素晴らしさを次世代へと繋げていく架け橋のような存在になりたいと思いました。
普段喉のケアで心がけていらっしゃることは
僕はそんなに自分を過保護にし過ぎないようにしていますね。加湿器もあまり使用しませんし、結局歌う場所は乾燥して埃っぽい場所なので、そういう場所に行った時に喉が乾っからになるので、本番の環境とあまり変わらない状況でいることが大事ですね。あとはうがい、手洗いと鼻うがいは徹底してやっています。もともと喉は弱いほうなので整骨院に行って鍼をして整えたりしています。
ではここからは、ボーカル・グループとしても大活躍のLE VELVETSさんのことをお伺いします 3人体制での手応えはいかがですか
ファンクラブイベントでは歌いましたが、表にはまだ出て歌っていませんね。
選曲も含め、グループでは意見がぶつかりあったりすることもあると思いますが、長く良き関係性を維持していくためのメンバーさん同士の努力はなんでしょうか
そうですね。みんなの意見を聞いて、相談しながら決めていますので、そんな揉め事とかにはなりませんね。僕たちはリーダーがいないので、みんながそれぞれのリーダーのような役割を持っていて互いを尊重し合っているのが長く続いていける秘訣かもしれませんね。
日野さんのInstagramに書かれていた「Follow Your Heart」フォローユアハート 自分の心に従うとはどんな深い意味が存在していますか
人生色々なことがありますが、僕は割と細かいことを気にし過ぎたり、相手に合わせたりするタイプなので、そうじゃなくて、人生一度しかないので、自分の感情に素直にやってみようという気持ちですね。


プレシャス・ドリーム・ナイトの共演者についてのご感想は
柏木ひなたさんはうちのメンバーの宮原がリーディング・オペラ『蝶々夫人』で共演していましたし、間接的には知っているので、お会いしたことはないのですが、すでにお会いしているような感じがします(笑)
島谷ひとみさんは今年1月にフジテレビで放送された『歌ウマ女王日韓決戦』でアレンジと歌唱指導に携わらせていただいたご縁がありますが、いつかご一緒できたらいいですねって言っていたので、今回の共演が初めてになりますがとても楽しみですね。僕の青春時代に買った島谷さんのCDも持っていますよ(笑)
はいだしょうこさんも実は初めましてなんです。
LENくんとは発声練習法なども話し合ったり、韓国語も教えてもらえたらな~と思っています(笑)

最後にプレシャス・ドリーム・ナイトにご来場くださるファンの皆さまにメッセージをお願いします
日野さんにインタビューをさせていただいたのは実にコロナ禍の2020年以来でした。その後も数々のコンサートにご出演いただき、お目にかかる度に驚かされることばかりです。今回日野さんが歌われる楽曲は全て『プレシャス・ドリーム・ナイト2025』のために新たに選んでくださった曲で、しかも様々な言語での歌唱になります!これってスゴイことです!日野さん曰く、折角素晴らしいミュージシャンとの共演なので、このステージでしか味わえない音楽から得るスリルや快感を楽しみたいという心意気に私はもう、ど★感動しちゃいました!まさにプロデューサー冥利に尽きるご褒美のような一言です。
そして、文中にも書かせていただきましたが、日野さんのデュエット曲で生涯忘れられない幻のSONGがあります。それは「ドリーム・キャラバン2023東京公演」で新妻聖子さんと日野さんとの初共演のデュエット曲で、ミュージカル ムーラン・ルージュより「Come What May」です。もう言葉にならないほどの美しさと表現力で今でも忘れられない余韻を残していただきました。私はリハーサルとゲネプロと本番の3回お聴きすることができましたが日野さんファンの皆様はいかがでしたでしょうか。今回、初挑戦の楽曲では更に深く愛おしい夢の世界へと誘ってくださることと思いますので、どうぞお楽しみにしていてくださいね。
撮影:間野真由美
「Gift of Love Songs」ステージ写真より
映像協力:SL-Company Inc

日野真一郎[LE VELVETS]
1982年6月27日生まれ 北九州市出身
武蔵野音楽大学大学院修士課程修了
メンバー全員が音楽大学声楽科出身で構成され、クラシカルクロスオーバーを中心に多彩なジャンルの楽曲を重厚なハーモニーで歌い上げるヴォーカル・グループ「LE VELVETS」のテノール担当。様々な声色を自在に操り女性の音域を歌うハイトーンヴォイスは唯一無二。
ソロとしては、ビルボードライブでコンサート行う一方、ミュージカルにも多数出演。主な作品は「ファントム」「SMOKE」「GLORY DAYS」「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」「ダブル・ トラブル」など。北九州市観光大使としても活躍中。
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