インタビュー Vol.10
サマージャズ初出演!"美"と"パワー"のみなもとは?
meg


 
●ご出身はどちらですか?
忠犬ハチ公と同郷の秋田県大館市生まれ、シュウマイが美味しい横浜育ちでございます!

 
●元気いっぱいですね(笑)。何歳ごろに横浜へ?
小学校から横浜でした。幼いころの秋田の記憶はあまりなく、秋田弁はヒアリングできて、しゃべることはできない・・・という不思議なかんじなんです(笑)。

 
●秋田弁がわかるのですね!
むこう(秋田県)には、たくさん親戚がおりまして、おばあちゃん世代の言葉はわかりづらかったりするのですけど、その下の世代の言葉ですと、だいたいわかりますね。お友達を連れて秋田へ行ったとき、私と同世代のまだわかりやすい秋田弁でも「まったく理解できない!外国に来ているみたい!」と言っていました(笑)。

 
●そして今は、ジャズ・シンガーとして活躍されておりますが、「ジャズ」との出会いについて教えてください。また幼いころから歌手になるのが夢でしたか?
小さいころ、テレビで歌っている綺麗なお姉さんを観てると、やっぱり子供心に憧れたりしますよね。色々な夢を持つじゃないですか、小さいころって。私は、お花屋さんだったり、CAさんだったり、憧れのひとつに歌手というのがありました。母がいつも家で歌や鼻歌を歌っていたりしていたので、私も歌に興味を持ちはじめまして。なので母のおかげなんです。いまも母はカラオケにガンガンかよってますね(笑)。

 
●お母様の歌好きがきっかけだったのですね
そうなんです。そして、小学生のとき、音楽の授業で一人で課題曲を歌う授業があったとき、「大好きなことだけは一生懸命やって、恥ずかしがらずにやってみたらどうだろう?」とふと思って、そこで自分でもビックリするぐらい大きな声で歌ってみたら・・・、先生が固まってしまって。私は引っ込み思案な小学生だったので、みんなビックリして口がポカーンとなっていました(笑)。

 
●そんなに驚かれたのですね。
普段とのギャップに驚いたみたいです。先生が「お前すごいなー、歌がうまいな」と褒めてくれたのが、自分の中で大きなきっかけになったと思います。歌って楽しい!というのと、人に感動を与えることっていいなと思うようになりました。それがあってから、引っ込み思案な女の子から、元気いっぱいの女の子になれたような気がします。

 
●megさんはパワフルなところは、そこから来ているのですね!
良い意味で自己表現ができるようになれた気がします。



 
●楽器とかは?
まったくですね。たまにピアノとか弾けたらいいなと思う時がありますが。。。楽器とは関係ないですけど、ネイルアートは凝ってますね(笑)。

 
●ジャズとの出会いは?
ジャズというジャンルは、自分とすごい遠いところにあって。。。と思っていたのです。母親がジャズ喫茶によく行っていたという話を聞いていて、そういえば鼻歌でジャズを知るようになったのですけど、でもなんかジャズってとても難しいような気がして、勉強しないといけない音楽かと。とあるときに、色々なジャンルの音楽が好きな友人が、エラ・フィッツジェラルドのCDをプレゼントしてくれました。ジャズとは暗くてお色気たっぷりなものだという先入観があったのですが、エラは明るい声で楽しそうに歌うので、これがジャズなの?と衝撃を受けました。ポップスと違って先がわからない展開もワクワクさせてくれますよね。それを入口に、徐々にジャズにはまっていきました。

 
●エラのほかに聴いたジャズはなんですか?
こころの恋人、フランク・シナトラ様ですね(笑)。恋しちゃってました。あの声に胸がキュンキュンとなりますよね!
インストものでは、ビル・エバンスやデューク・エリントンなど聴いてきましたし、友人からも教えてもらってたくさん聴いてきました。日本人の方ですと、阿川泰子さん!

 
●阿川さん!素敵ですよね。お仕事の現場でご一緒されたことありますよね?
はい、私が横浜でラジオ番組をしていたときに、ゲストにお越しいただいたのが初対面でした!目の前に憧れの方がいるという状況にガッチガチで(笑)。阿川さんの上品な振る舞いに、もう頬が赤くなってしまいますし、こんなにドキドキすることがあるんだって自分でも驚くほど素敵な時間でした。
また、チャリティーのイベント「ウイメン・イン・ジャズ」を毎年やっているのですけど、そのイベントに1回目からご出演いただいております。

 

 
●megさんがオススメする(したい)「ジャズの聴き方」ってありますか?
私の趣味が、「真夜中のドライブ」で、特技が縦列駐車というくらい運転が好きなのですけど(笑)、仕事が終わってから帰るときって真夜中ですよね。その夜のイルミネーションが綺麗な街で運転しながら聴くのが好きです。スピード感のある曲をたまに聴きたくなったりとか、ドライブしながらジャズを聴くのはいいですよね。
ちょっと渋いのですけど、ボブ・ドロウという、ホセ・ジェイムスをさらに個性的にしたような黒人のシンガーがおりまして、スピード感のある曲を多く歌われていたりするのですけど、彼の曲とかはよく聴きますね。見える景色で曲を選んだりします。

 
●OFFの日は何をされていますか。
ネイルアートをやったり、美容院に行ったりとか。。。



 
●美にさらなる磨きをかけているのですね!
次のライブのことを考えながら、動いています。コンセプトを考えて、どんな曲を歌おうかなとか、どんな衣装にしようかなとか。雑誌を読んでいても次のイメージを考えていたり、常に仕事のことを考えていますね。楽しいからできるのだと思います。あとは、犬と戯れています(笑)。

 
●最近のライブまたはコンサートで印象に残ったお仕事はありますか。
東北地方で多く栽培されている「クリスマス・ローズ」というお花があるのですけど、それをモチーフにしたその名のままの「クリスマス・ローズ」という押尾コータローさん作曲、湯川れい子さん作詞の曲を歌っておりまして、盛岡のお花屋さんが、多くの人に「クリスマス・ローズ」を知って欲しいという思いから作った曲なのですが、リリースしてしばらくしてから、その盛岡のお花屋さんからインストア・ライブのお話をいただきまして。インストアといいましてもビニールハウスで、しかも冬でしたから寒かったです〜。そして、盛岡なのでかなり雪が積もっていて、サビを歌い終わったあとに、偶然にもビニールハウスの上から「ゴゴゴ、ゴゴゴ、ゴーーーン!」と、雪のかたまりが落ちてきて轟音が響いてました(笑)。このほかにもアウトドアのライブでは色々なアクシデントがたくさんありますね〜。


盛岡経済新聞 WEB
生花に囲まれ「ハウス」でインストアライブ-「クリスマスローズ」に80人
2008年1月28日 掲載


http://morioka.keizai.biz/headline/142/



 
◎御出演いただく2013年8月24日「第45回サマージャズ」について

 
●今回初出演となりますが、率直なお気持ちは?
やはり、45年という歴史はすごいな、という一言につきるのですけど、そんな歴史のあるジャズフェスに私が出演させていただけるとは本当に光栄です。私が生まれる前から続いているイベントですからね〜!

 
●歴代の出演者などは本当に凄い方ばかりですし、今回も北村英治さん、マーサ三宅さん、今田勝さんなど、とても豪華な出演者が揃っております。
歴史の深さを実感できますよね。この大先輩の方々も出演されることによって、凄いジャズ・フェスなんだなーと思います。

 
●今田勝さんは、第1回目から45年間、毎年出演されてます!
そうですよね。ほんとすごいです!楽しみつつも、色々なことを吸収していきたいと思います。

 
●選曲や衣装など、すでに何かイメージしていますか?
夏なので、私なりに考えた「夏に似合う曲」と皆さんがご存じの「有名な曲」を歌いたいなと思います。衣装はそうですね・・・、コレ!と決定してはいないのですけど、先ほどのエラの話にも繋がるのですが、「明るくて楽しいジャズ」というのをコンセプトにしているので、歌声だけでなく、目で見ても楽しんだり元気になって
いただけるように、と考えています。
 
●では、おじさまに喜んでいただけるようなご衣裳ということで、よろしいでしょうか?(笑)
ハハハ!喜んでいただければいいのですけどね!(笑)

 
●今年、日比谷野音は90周年で、今回出演していただく会場の日比谷公会堂も83年という長い歴史がありますが、老朽化にともない近々立て直しする予定らしいです(詳細未定)。
えー!本当ですか!?当日はカメラ持っていって、いっぱい写真撮ってかえろう(笑)。

 
◎2012年3月にリリースされたロン・カーター・プロデュースの4thアルバム「Little Waltz」について

 
●大御所ロン・カーターのプロデュース作品!どういった経緯でプロデュースをお願いすることになったのでしょうか?
いまも活躍されているジャズ・ジャイアントのロンさんとジャズをやってみたい、というシンプルな思いがありまして、語るのはタダなので、スタッフといろんなことを話していたら、それが叶ってしまったという(笑)
ホンモノのしかもロンさんのサウンドを身体で体感したらどうなるのだろうとか、そういうことに興味があったのですけど、ほんとにいろいろな方のサポートがあって実現できたことなので、すごく責任感を感じましたし、全身の細胞を使って吸収してこようという意気込みでレコーディングに行ってきました。いまでもその時に体験したことをふと思い出して元気になったりして、なんだかそれが栄養剤みたいな感じになってますね。

 
●選曲がとても日本人のにはとても親しみのある曲が多いように思います。どのように選曲されたのでしょうか。何か拘りなどはございましたか。
選曲はこちらでやりました。ロンさんとジャズができるとなると、あれも、これもとなってしまうので、ロンさんが来日されたときに打ち合わせをさせていただくことになりまして。選曲イメージを紙に書いて渡したら、この中から11曲選んでと言われて、その場でロンさんの横顔を見ながら11曲を選んで(笑)、再度その紙を戻しましたら、「うん、わかった」と言ったあと、その紙に「Little Waltz」と書いて戻してくださって。。。これは何ですか?と聞きましたら「これはキミのアルバムのために曲をプレゼントするよ」と。これで今回のアルバムの12曲が全部揃ったわけです。

 
●なんだかオシャレで素敵ですね。そんなことされたら恋に落ちちゃいますね。
もう、「ワー」って感じで(笑)。笑顔も素敵で優しいですし。オリジナルの曲も欲しいと心の中にあったけど、言いづらいし、というのがあったので本当に嬉しかったです。



 
●スタジオのロンはどんなかんじでしたか。
レコーディング中は緊張感ある表情でしたが、終わるといつもの優しい笑顔のロンさんでした(笑)
でも、厳しいことを言われると覚悟していったのですが、それが全く逆で、「meg、僕たちがここで演奏してるから、ここまで登っておいで」という感じでした。押しつけられたりとか、そういうことは一切なかったです。自分が自分の気持ちで、自分が登りたいから登るんだ!という気持ちで、レコーディングできました。そのおかげか、すごく集中できて1日6曲を収録する予定だったのですが、8曲も録音できました。あっというまでしたので、楽しかったのでしょうね。ロンさんに恋しちゃいました(笑)。

 
●8/24「第45回サマージャズ」の当日は、この「Little Waltz」を含め、アルバムCDを全タイトル販売する予定ですので、ぜひサイン会もお願いします!
ぜひ、させていただきたいと思います!

 
◎今後について

●今後の予定などございましたら、お聞かせください。
ライブはNo Birdを中心にジャズクラブでコンセプトをもってやっていこうと思っています。あと9月にストレイ・ドックスのメンバーで、初の九州ツアーを予定しています。まずは、8月24日「第45回サマージャズ」を楽しみにしています!


<ライブ情報>
2013年9月12日(木) 東京・銀座「No Bird」
2013年9月17日(火) 鹿児島「JJ CALL'N」
2013年9月18日(水) 鹿児島「Jazz Spot Lileth」
2013年9月19日(木) 福岡「JAZZ IN NEW COMBO」
2013年9月20日(金) 熊本「Restaurant&Bar CIB」
メンバー:meg(vo)、楠井五月(b)、菊池太光(pf)、福森康(ds)


エラのCDを初めて聴いてジャズに目覚めた少女は今、ロン・カーターのプロデュースでアルバムをリリースし、素敵なジャズメンを連れて全国のジャズ・フェスやジャズクラブを飛び回っている。その素敵な笑顔と歌が、多くの人々をひきつけるのでしょう。とにかく元気でパワフルなmegさん、現代の日本ジャズ・シーンを担うシンガーの一人として、これからも精力的に活躍していただきたいです。応援しています!

 
インタビュアー:Yasuo Fukuda
カメラマン:常見登志夫
 
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